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【発明の名称】 石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法並びに岩綿を含む石膏ボード
【発明者】 【氏名】西 美知男
【住所又は居所】東京都足立区江北2丁目1番1号 吉野石膏株式会社技術本部内
【氏名】神宮 孝男
【住所又は居所】東京都足立区江北2丁目1番1号 吉野石膏株式会社技術本部内
【氏名】平 静雄
【住所又は居所】東京都足立区江北2丁目1番1号 吉野石膏株式会社技術本部内
【課題】石膏ボードと岩綿吸音板との複合廃棄物のリサイクル方法を提供する。

【解決手段】石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物を粉砕し、金属異物及び石膏ボード由来の紙片を分別除去して得られる石膏と岩綿の複合粉体を、紙片含有量を3重量%以下とし、石膏ボード製造用の新規原料石膏に対する割合が2〜40重量%であり、かつ岩綿として1〜20重量%となるように配合して石膏ボードを製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物を粉砕する工程と、
前記工程により得られた粉砕物から金属異物及び石膏ボード由来の紙片を分別除去して紙片含有量を3重量%以下の石膏と岩綿の複合粉体を得る工程と、
前記複合粉体を石膏ボード製造用の新規原料石膏に対する割合が2〜40重量%であり、かつ岩綿として1〜20重量%となるように新規原料石膏と配合して石膏ボードを製造する工程と、
を有することを特徴とする石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法。
【請求項2】
前記新規原料石膏が焼石膏(半水石膏)である請求項1記載の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法。
【請求項3】
前記複合粉体を加熱して焼成処理する工程を有する請求項1または2記載の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法。
【請求項4】
前記新規原料石膏が二水石膏であり、これに前記複合粉体を配合して焼成して二水石膏を焼石膏(半水石膏)とし、石膏ボードを製造することを特徴とする請求項1記載の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法。
【請求項5】
前記複合粉体の粒径が、100メッシュパス70%以上であることを特徴とする、請求項1乃至4記載の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法。
【請求項6】
請求項1乃至5記載の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法を用いて製造されたことを特徴とする岩綿を含む石膏ボード。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は建物の改修工事や解体工事で発生する石膏ボードと岩綿吸音板との複合廃棄物のリサイクル方法及びそのリサイクル方法を用いて製造する石膏ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
廃石膏ボードは年間約167万トン(1999年業界推計)以上排出されており、2010年には年間約243万トンに急増すると言われる中、石膏ボードは1999年6月から廃棄物処理法に基づき、管理型処分場で処分することになっている。新築工事で生ずる石膏ボードの廃材は、メーカーリサイクルや紙と分離することにより、石膏の再利用が図られている。また、解体改修工事から発生する廃材についてもその構成材である紙と石膏を分別する装置や得られた紙や石膏の再資源化や再利用が図られ、廃石膏ボード単体のリサイクルは徐々に広がってきている。
【0003】
一方、解体改修工事において発生する天井材の多くは、石膏ボードを下張りしてその上に岩綿吸音板を接着材や無数のステープルやビスで接着固定するいわゆる捨て張り工法による複合体となっている。解体時に発生する石膏ボードのうちこのような岩綿吸音板付きのものは2〜3割あると言われているが、そのままでは複合廃材となり、分別・減量できずに管理型処分場で埋め立て処分するしかなかった。したがって、建物の改修及び解体時に発生する、主に天井に捨て張り工法により施行された、石膏ボードと岩綿吸音板の一体物からなる複合廃棄物のリサイクルが切望されている。
【0004】
このような石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクルに関しては、以下のような技術が開示されている。
(1)特開平09−132447号「建築廃材再利用処理方法」(特許文献1)
この発明は、建築物を壊す際に多量に発生する石膏ボード・岩綿を使った断熱ボード・珪酸カルシウムを含んだ耐火ボード等の建築廃材を粉状に粉砕し、これに接着剤等の混和材を入れて混合してペースト状にし、建材用ブロックに成型することを特徴とする建築廃材再利用処理方法を開示する。この処理方法はプレス成型等によりブロックを製造するものであり、本願発明とは異なる技術思想のリサイクル方法を提供するものである。
(2)特開2001−341028号「ボード分別解体装置」(特許文献2)
この発明は、今まで最終処分場(管理型処分)にて埋め立てていた建築解体改修現場から大量に発生する天井複合廃材を、その構成材料である岩綿と石膏ボードに分別する装置を開示している。分別された岩綿はメーカーで再び岩綿吸音板製品の原材料として、また、石膏ボードは紙と分離した後、セメント製品の構成材、地盤改良材、汚泥の中性固化材などの原料として再生利用される。しかし、特別な装置を必要とし、また解体工事等で粗粉砕され様々な形状や大きさになった石膏ボードと岩綿吸音板の混合廃材に対しては有効なリサイクル方法にはなり得ない。
(3)特開2002−097058号「石膏ボードを含む建築廃棄物のリサイクル法」(特許文献3)
この発明は、石膏ボード廃材、又は石膏ボードと鉱物質繊維板との複合体廃材を粉砕後スラリー化して石膏ボード原料に適正比率で配合し石膏ボードを製造するリサイクル方法として、石膏ボード廃材又は石膏ボードと鉱物質繊維板との複合体廃材を粉砕し金属異物を磁力選別した粉砕物を高速攪拌ミキサーにて水中分散させてスラリーとし、次に、半水石膏100重量部に対して前記スラリーのスラリー固形分で25重量部以下の比率で配合してなる石膏ボードの製造方法を開示する。
【0005】
この発明には以下の問題点がある。
【0006】
(ア)複合体廃材は紙と石膏を分離することなく、粉砕、磁力選別、高速撹拌ミキサーを通すことにより石膏ボードの原料として使用される。このように廃石膏ボードに由来する紙もスラリー化するため、紙分の繊維の影響で石膏ボード製造時の練り混水量が大幅に増加すると共に、紙繊維の内部にしみ込んだ水は乾燥し難いために乾燥速度が大幅に低下し、生産性が低下する。
【0007】
(イ)さらに複合体廃材粉砕スラリーのリサイクル率が5〜10%程度と少ない内は紙分を全量リサイクルしてもさほど問題ないが、リサイクル率が20%程度になると紙分を全量リサイクルしたのでは石膏ボード製品のコア部分に紙片が散見されるようになり見栄えが悪くなるばかりでなく、有機物が混入するということから防火性能上も好ましくない。
【0008】
(ウ)また、複合廃材由来の石膏分は二水石膏であるため単なる増量材となり、配合すればするだけ焼石膏(半水石膏)の純度を低下させて、それにより製造される石膏ボードの強度や石膏ボード原紙と石膏芯との接着性も低下する。
(4)特開2004−051396号「無機繊維と石膏の複合板、及びその製造方法」(特許文献4)
この発明は、幅広い用途に利用可能な廃石膏ボード利用の建築材料を提供することを目的として、無機繊維を含む原材料を水により硬化させた無機繊維と石膏の複合板であって、前記原材料中の、無機繊維、水硬性物質、及び廃石膏ボードの粉砕物を焼成して得た焼成粉砕物の総和の10〜80重量%が無機繊維であり、0〜80重量%が水硬性物質であり、10〜80重量%が焼成粉砕物であることを特徴とする無機繊維と石膏の複合板を開示する。
【0009】
この複合板は無機繊維石膏板であり、ボード原紙で被覆石膏芯からなる石膏ボードとは異なる区分のボードであり、また、この発明で使用する無機繊維や水硬性物質はリサイクル材料としてのそれらを含まず、したがって、石膏ボードと岩綿吸音板の一体物からなる複合廃棄物の再利用には適用できない。
【特許文献1】特開平09−132447号
【特許文献2】特開2001−341028号
【特許文献3】特開2002−097058号
【特許文献4】特開2004−051396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上述べたように、石膏ボードと岩綿吸音板の一体物からなる複合廃棄物のリサイクル技術については未だ有効な方法がないもしくは問題点が十分に解決できていない。
【0011】
そこで、本発明は、石膏ボードと岩綿吸音板の一体物からなる複合廃棄物を有効に再利用することができるリサイクル方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは鋭意検討した結果、石膏ボードと岩綿吸音板の一体物からなる複合廃棄物から異物と共に紙分も除去して得た粉体もしくはこれを焼成処理した粉体を石膏ボードの原料の一部として再利用することにより、通常の原料石膏を使用して常法により製造して得られた石膏ボードと同等の特性を有する石膏ボードが得られることを見出し本発明を完成した。
【0013】
すなわち本発明の石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法は、
石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物を粉砕する工程と、
前記工程により得られた粉砕物から金属異物及び石膏ボード由来の紙片を分別除去して紙片含有量を3重量%以下の石膏と岩綿の複合粉体を得る工程と、
前記複合粉体を石膏ボード製造用の新規原料石膏に対する割合が2〜40重量%であり、かつ岩綿として1〜20重量%となるように新規原料石膏と配合して石膏ボードを製造する工程と、
を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の態様は、
前記新規原料石膏が焼石膏(半水石膏)である石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法である。
【0015】
また、本発明の他の態様は、前記複合粉体を加熱して焼成処理する工程を有する石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法である。
【0016】
また、本発明の他の態様は、前記新規原料石膏が二水石膏であり、これに前記複合粉体を配合して焼成して二水石膏を焼石膏(半水石膏)とし、石膏ボードを製造することを特徴とする石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法である。
【0017】
また、本発明の他の態様は、前記複合粉体の粒径が、100メッシュパス70%以上であることを特徴とする石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法である。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、上述の各石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法を用いて製造された岩綿を含む石膏ボードである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、石膏ボード製造用の石膏原料の一部に複合粉体またはその焼成物を所定範囲内で配合して石膏ボードを作成しても、通常の方法で作られる石膏ボードと同等の特性を維持できる。
【0020】
また、予め新規原料石膏に所定量の複合粉体を配合して焼成して得られた焼石膏を用いて製造した石膏ボードも、同様に通常の方法で作られる石膏ボードと同等の特性を維持できる。
【0021】
また、混水量もさほど増加させる必要がなく、そのため石膏ボードの生産性が低下しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図1のフローチャート参照して説明する。
図1は、本発明による石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物のリサイクル方法の概要を示すフローチャートである。
【0023】
本発明のリサイクル法は、リサイクルの対象となる建築解体現場などから発生する石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃棄物(以下、適宜、単に「複合廃棄物」と言う。)を回収することにより開始される。
【0024】
先ず、回収した複合廃棄物を粗粉砕する(ステップ2:S2)。この粉砕は、例えば、4軸粉砕機などを使用して行う。次に、金属異物を磁力選別機や比重差を利用した風力選別機等で選別除去する(S4)。次に、金属異物を除去した粉砕物から石膏ボード由来の紙片を回転式または振動式の篩い機により分離除去する(S6)。
【0025】
ここで、紙片の除去の必要性について述べる。
【0026】
廃石膏ボードに由来する紙分を分離除去せずに配合すると、例えば9.5mm厚の石膏ボードでは原紙約5〜7重量%を含むためスラリー化するときにこの紙分の繊維の影響で石膏ボード製造時の練り混水量が大幅に増加すると共に、紙繊維の内部にしみ込んだ水は乾燥し難いために石膏ボード製造時の強制乾燥工程において乾燥速度が大幅に低下し、生産性が低下する。したがって、本発明においては、未分離紙分の許容含有量の上限はおよそ3重量%である。3重量%を超えると前記した問題のため再利用に不利となる。紙分の含有量はより好ましくは1.0重量%以下であり、最も好ましくは0.2%以下である。
【0027】
次に、紙片を除去して得られた塊状又は紛体状の粉砕物を必要に応じて更に微粉砕し、100メッシュ(mesh)パス70%以上の粉体(以下、「複合粉体」という。)とする(S8)。複合粉体の粒径がこれ以上粗い場合には、粒状の石膏塊及び岩綿吸音板塊が石膏ボード製品のコア部分に黒っぽい粒として散見されるようになり、見栄えが悪くなる。また、原料石膏とのスラリー化において混合分散が均一になり難くなる。
【0028】
次に、粒度を調整した複合粉体はそのまま単独でまたは新規原料石膏に所定の配合比となるように混合した後に、ロータリーキルンなどを用いて直接加熱によりあるいは竪釜などを用いる間接加熱により焼成する(S10)。加熱温度としては石膏(二水石膏)を焼石膏(半水石膏)もしくは可溶性の無水石膏を一部含む焼石膏にできる温度であればよく、100〜200℃の範囲、より好ましくは130〜190℃がよく、加熱時間は通常0.25〜3時間、好ましくは1〜2時間加熱する。
【0029】
加熱焼成して得た複合粉体は、新規な原料石膏と配合し石膏ボード製造のため原料とする(S12)。上記複合粉体の新規原料石膏と配合する割合は全原料石膏に対し2〜40重量%で且つ岩綿としての含有量が1〜20重量%である。一般に接着工法で施工された石膏ボードと岩綿吸音板からなる天井板の石膏と岩綿の重量比は、石膏ボードが9.5mm厚で比重が0.70前後、岩綿吸音板天井板が10mm厚で比重が0.50前後であることから、概ね、石膏:岩綿吸音板は60%:40%であり、岩綿吸音板の重量比が50%を越えることはない。
【0030】
一方、石膏ボードを製造する場合の石膏純度の下限は約80%であり、石膏純度がこれ以上低下すると、石膏ボードにしたときに曲げ破壊荷重等の大幅な低下を伴うので好ましくない。また、複合粉体を配合する割合が40重量%以上で岩綿としても20重量%以上となると、岩綿の配合の増加によっても混練水量が増加する傾向があるため、乾燥に要する時間やエネルギーの増大を招き生産性の大幅な低下につながる点からも好ましくない。したがって、複合粉体の配合割合は2〜40重量%で且つ岩綿として1〜20重量%であることが好ましい。
【0031】
なお、石膏のpHは中性(pH6〜8)であるのに対し、岩綿のpHはアルカリ性(9以上)であるため、本発明に用いる複合粉体は岩綿の含有量にもよるがpHが高くなるために(pH8以上になるときをいう)、焼石膏の凝結時間が遅延することとなり、製造上凝結遅延時間を短縮すべく凝結促進剤を用いる必要がある。この際は、硫酸アルミニウム、硫酸鉄及び硫酸カリウム等の凝結促進剤を用いれば良い。
【0032】
なお、新規原料石膏としては天然原石や化学石膏(副生石膏)に加え、石膏ボード廃材のリサイクルにより得られるリサイクル石膏を使用することができる。リサイクル石膏を使用する場合、その配合量は複合粉体に含まれる石膏分との合計で約25重量%以下とするのが好ましい。25重量%を超えて配合するとスラリーの混練り水量が増えて生産性が悪くなることまた最終的に得られるボードの強度が若干低下させることがあり不利となる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。なお、当然ながら本発明は実施例に限定されるものではない。
(複合粉体等の調製)
建築物の解体現場から回収した石膏ボードと岩綿吸音板の割合が重量比で約60%:40%の複合廃材から人手により異物を取り除いた後これを4軸粉砕機に掛けて破砕した。粉砕物を次工程に送る搬送途中において磁力選別機に通して更に金属異物を除去した。次にこの金属異物等を除去した粉砕物を回転篩いに掛けて篩い上に紙を分離すると共に、篩い下にて石膏と岩綿の複合粉体を回収した。回収した複合粉体の紙分含有量は0.9重量%であった。
【0034】
複合粉体Iの調整
このようにして得られた複合粉体の一部を更に微粉砕し、金網篩いに掛けて100メッシュパス70%以上の微粉砕品(複合粉体Iとする)を調製した。
【0035】
複合粉体IIの調整
一方、上記複合粉体の一部を竪釜を用いた間接加熱により150℃で2時間加熱して二水石膏を焼石膏(半水石膏)にした後、さらに微粉砕し篩いに掛けて100メッシュパス70%以上の微粉砕品(複合粉体IIとする)を調製した。
【0036】
複合粉体III及びIVの調整
さらに、次の複数の石膏原料組合せに未焼成の複合粉体を2〜40重量%となるよう配合して、その後それらを竪釜を用いた間接加熱により150℃で2時間加熱して二水石膏を焼石膏(半水石膏)にした後、さらに微粉砕し篩いに掛けて100メッシュパス70%以上の複合粉体を含有する焼石膏(複合粉体含有焼石膏III及びIV)を調製した。なお、複合粉体含有焼石膏IVは複合粉体含有焼石膏IIIの複合粉体20重量%の一部を廃材石膏リサイクル石膏と置き換えたものである。
【0037】
(ア)複合粉体含有焼石膏IIIの焼成前配合組成
天然石膏 50重量部
リン酸石膏 15重量部
排脱石膏 15重量部
複合粉体(未焼成) 20重量部
(イ) 複合粉体含有焼石膏IVの焼成前配合組成
天然石膏 50重量部
リン酸石膏 15重量部
排脱石膏 15重量部
廃材リサイクル石膏 5重量部
複合粉体(未焼成) 15重量部
なお、使用した各石膏原料の二水石膏純度は以下のとおりであった。
【0038】
天然石膏:93%、 リン酸石膏:98%、 排脱石膏:98%
廃材リサイクル石膏(廃石膏ボードからの回収再生品):96%、紙分1%
(石膏ボードの製造および物性評価)
以上のようにして得られた複合粉体I、II並びに複合粉体含有焼石膏III及びIVを、通常の石膏ボード製造用新規原料石膏に表1に示す条件で配合してスラリーを調製し、上下石膏ボード原紙の間に流し込み、連続的に板状体を成形して強制乾燥切断する常法により、12.5mm厚の石膏ボードを製造した。
【0039】
実施例1乃至実施例5は複合粉体l を使用し、配合割合を、夫々、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%(複合粉体と新規原料石膏との総和に対する割合)に配合したものである。
【0040】
実施例6乃至実施例10は、複合粉体IIを使用し、配合割合を、夫々、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%としたものである。
【0041】
実施例11は、複合粉体含有焼石膏IIIを使用し、新規原料石膏との割合を20重量%として配合したものである。
【0042】
実施例12は、複合粉体含有石膏IVを使用し、新規原料石膏との割合を15重量%として配合したものである。
【0043】
そして、比較例として、複合粉体を使用しないもの(比較例1)、複合粉体Iを使用し、配合割合を50重量%としたもの(比較例2)及び複合粉体IIを使用し、配合割合を50重量%としたもの(比較例3)を使用して石膏ボードを製造した。
【0044】
これらの石膏ボードをJIS A6901の測定方法により比重、曲げ破壊荷重及び防火性の特性を測定し、その測定値の平均値を表1に示した。
【0045】
また、各実施例及び比較例のスラリー調製における混水量として、焼石膏100重量部当たりに対して使用した水の重量部を表1に併せて示した
【0046】
表1から、本発明の実施例によれば、石膏ボード製造用の石膏原料の一部に複合粉体(複合粉体I)をまたはその焼成物(複合粉体II)を所定範囲内で配合して石膏ボードを作成しても、通常の方法で作られる石膏ボードと同等の特性を維持できることが分かる。
【0047】
また、予め新規原料石膏に所定量の複合粉体を配合して一緒に焼成して得られた焼石膏(複合粉体含有焼石膏III及びIV)を用いて製造した石膏ボードも、同様に通常の方法で作られる石膏ボードと同等の特性を維持できることが分かる。
【0048】
さらに、混水量もさほど増加させる必要がなく、そのため石膏ボードの生産性もそれほど低下しないことが確認された。
【0049】
石膏ボードの生産量が年間約6億m超であることから、このような複合粉体を再利用した石膏ボードの製造方法は、石膏ボードと岩綿吸音板の複合廃材の有効なリサイクル方法の一つになると考えられる。
【0050】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のリサイクル法を示すフローチャートである。
【出願人】 【識別番号】000160359
【氏名又は名称】吉野石膏株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル内
【出願日】 平成16年6月25日(2004.6.25)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦

【公開番号】 特開2006−8448(P2006−8448A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2004−188082(P2004−188082)